高等学校卒業と自立に向けたトータルサポート 通信制課程

理事長ブログ

2022年07月07日

学校行事

成年年齢引き下げによる、保護者のためのリスクマネジメント学習会

昨夜は東林館高校の保護者学習会を、ひろしま東部法律事務所の弁護士であられる山崎義明先生を講師にお迎えし実施しました。

これは先日、市議会でも教育長へ提案をし、公立中学校の保護者等へ法律の専門家からの学習機会の提供を要望した案件になりますが、これまで20歳だった成年年齢が、民法改正により、今年4月1日から18歳に引き下げられ、高校3年生時に成年を迎えます。

18歳が成年となる一番大きな変化が、18歳になった瞬間から、親の同意が無くても自由に契約を締結できるようになることです。
民法では、未成年者が契約を締結しても、法定代理人、多くの場合親の同意がない場合、未成年者取消権を行使でき、契約を無効にすることが可能です。

このため、これまで未成年者は親の同意という仕組みによって強く保護され、悪質業者のターゲットになりえませんでしたが、今後18歳になった瞬間から悪質業者のターゲットにされ、契約被害の防止と救済ができず、悪質商法で多額の借金を抱えるという事案も発生する可能性があります。

その他にも18歳になれば、クレジットカードが持てたり、消費者金融からの融資を受けたりすることも可能となります。

高校3年生で18歳になると、これまでの保護者は保護者ではなくなってしまい、18歳に成年年齢が引き下げられることで、その他にも様々なリスクが生じます。

この案件は、まだ多くの生徒、保護者、教員がそのリスクの高さに気づいていない案件であり、今後様々なところにそのリスクが波及する可能性があります。

だからこそ今のうちに、保護者の方々と共にリスクマネジメントを学べる機会の創出を行いました。

お陰様で多くの保護者の方々が関心をお寄せくださり、共に子どもたちを支えていくための体制づくりの強化ができました。
これからも引き続き、子どもたちが安心安全のもとで学べる環境づくりに努めてまいります。