不登校について

3.不登校になった子どもの気持ち

2019年3月28日に東林館高校主催の「第3回不登校セミナー」が開催されました。セミナーのタイトルは「不登校だった自分を振り返って、今話せること」というもので、東林館高校の卒業生二人がパネリストとして登壇してくれました。二人は10年近く前に東林館高校を卒業して、今は社会人として責任を負う立場で働いています。

二人の言葉から、「不登校の気持ち」を感じて頂き、親や先生に対して子どもたちがどのような関わりを求めているのかということについても考えて頂けたらと思います。

「学校を休んでいた時の気持ちについて教えてください」

  • Aさん 「学校を休むことを悪い事だと感じていました」
    「けれども、どうすることもできないので逃げることしかできませんでした」
  • Bさん 「世界がすごく狭く感じていました」
    「誰も自分のことを分かってくれないと思っていました」
    「そして、そう遠くない未来に自分は自殺するんだろうなと思っていました」

二人の言葉から、「不登校」というのは想像以上に本人たちの心を追い詰めていることが想像できます。子どもたちにとって「学校」という存在はとても大きいものです。一般的に当たり前のように学校に通い、当たり前のように自分の居場所があり、当たり前のように一日を過ごすような気がしますが、もしもその学校に行くことができなくなった時、子どもの心にとてつもない不安や恐怖が押し寄せてくることは不思議ではないのかもしれません。

Aさんの言葉からは、学校に行くことができないという罪悪感を持ちながら、それでもどうにもままならない様子が伝わってきます。Bさんの言葉からは孤独の中で未来に対する希望は失われて、いずれ自分自身もいなくなってしまうのではないかという人として根源的な不安が強く伝わってきます。

また、他の卒業生の一人が学校に行くことができない時期を「どこまでも続く真っ暗闇にぽつんと一人でいる感覚」と表現していました。この言葉からも底知れない不安と孤独を読み取ることができると思います。


「不登校の時の親との関係について教えてください」NEW

  • Aさん 「学校生活については話していませんでした」
  • Bさん 「両親ともすごくショックを受けていました」
    「親に言っても分かってくれないと思っていましたし、親も僕が言わないから分からなかったと思います」

子どもたちというのは保護者の瞳を常に観察しています。「お母さんは今どんな状態なんだろう?」ということと、「お母さんは自分のことをどんなふうに見ているんだろう?」ということをお母さんの瞳から読み取っています。

「不登校」になったときに本人のみならず、保護者の方の心も混乱するのは当たり前のことです。本当の意味で我が子の「不登校」を受け入れていくためには時間がかかるものだと思います。そして、そのような保護者の混乱を子どもたちはしっかりと感じ取っています。「ショックを受けて動揺しているお母さん」「自分が学校に行かれないことを肯定的には受け入れられないお母さん」「自分のことを情けないと思っているお母さん」など、子どもたちは想像以上に敏感に読み取っています。

ですので、AさんBさんともに「親に話してはいませんでした」という言葉は「不登校」をしている子どもたちの多くに共通するものではないかと感じます。

子どもたちが保護者の方に自分の言葉で語ることができるのは、保護者の方の気持ちにゆとりがあり、そして常に支持的で肯定的に自分の言葉を受け入れてくれるという安心感があって初めて可能になるのではないかと思います。

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